2023-09-18 Mon
Moi!今日は最高気温は11度。お昼に少し晴れ間が見えましたが、ほぼ曇りのお天気でした。これから週末にかけて気温は上がっていくようなので、それはちょっぴり期待してしまってもいいのでしょうかね。
さて、週末は久々に映画を観に行きました。見たのはこちら、”Lapua 1976”です。

フィンランド通の方ならラプアンカンクリというテキスタイルブランドで、名前に馴染があるかもしれません。そう、そのラプアンカンクリの本社があるのがラプアという街で、セイナヨキから車で30分で行けるお隣の街です。
1976年にラプアの弾薬工場で大きな爆発事故が起こり、それを題材にした映画がLapua 1976という訳です。家人はその事故が起きた時セイナヨキからでも、外にいて建物が揺れるのを見、爆発音も聞こえたのだそうです。この事故では40人が亡くなり(うち35人が女性)100人以上が負傷というフィンランドの歴史に残る大惨事だったとのこと。
監督のToni Kurkimäkiさんはラプア出身。フロアーボールの試合がセイナヨキで行われる時はDJもされていたので(私が移住後数年でDJは辞められましたが)私も面識があるのです。12年前にセイナヨキからラプアに引っ越しした際に、ラプアのこの痛ましい事故に関する映画を作りたいと思うようになったそうです。まずは弾薬工場に勤めていたお父さんに質問することから始まりました。それまではお父さんはこの事故のことは何も語っていなかったとのこと。確かにこのような惨事について気軽に話できるものではありません。なんというか、事故の記憶が生々しい時に作るのは難しかっただろうし、逆に証言者が少なくなってから作ると、それはそれで難しいでしょうし、今回はいいタイミングだったのかもしれません。
映画自体はラブストーリーを軸に爆発事故の日が刻々と迫っていくという展開。
実際の爆発の様子はCGですが、爆発した後の燃え盛る廃墟のシーンはラプアのTiistenjokiの青少年センターが所有する更地に150トンの建設廃材を持ち込んで撮影。工場のシーンは、もともと工場があり今は図書館、映画館、博物館そしてラプアンカンクリのショップもあるVanha Paukkuがメイン、一部セイナヨキで撮影されたとのこと。見覚えのある場所が出てきたり、喧嘩のシーンが出た時は”あいつらはKauhavaのやつらだから”(=血気盛んな人が多いところ)とか”ラプアにいたら噂なんてすぐに広まってしまう”等地元ネタで笑いも取っていました。工場のCEO役はHannu-Pekka Björkmanさんで、エテラポフヤンマーのイルマヨキの高校を卒業した名優が演じていたのもよかったです。
9月1日の公開から2週間経ちましたが、週末は1日に5本ぐらい上映しているにも関わらず私達が観に行った回はほぼ満席でした。エンドロールまでしっかり見ていたら(フィンランド人はエンドロールが始まるとほとんどの人が帰るのです)、映像関連の仕事をしている友達の名前もありました。他の地区での人気はあまりないかもしれませんが、リアルな映像にこだわった見応えある映画で、哀しいだけではない、事故に巻き込まれた人たちの生活も丁寧に描かれた良作でした。
エンドロールまでしっかり見た後だったので映画館のエントランスにあまり人はいませんでしたが、開始前はたくさんの人で賑わっていたのです。

映画の余韻に浸っていたらちょっとテンションが違うバービーのカメラスポットが。

アキ・カウリスマキ監督の”枯葉”も公開になったのでこちらも観に行く予定です。通常の映画は上映期間も上映回数も短いので見逃さないよう近々行かなければ。
ということで皆様、よい1週間の始まりをお迎えください。
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