2023-06-06 Tue
Moi!今日はいいお天気に恵まれ、最高気温は15度まで上がりました。もう11度とかに比べたら暖かくなったもんだとしみじみ有難く思えます。この調子で気温がいい感じに上昇し、頃合いがよいところでキープしてもらいたいですね。
さてフィンランドでは学生たちは夏休みに入っていますが、大人たちの多くも7月から夏休みに入ります。仕事によっては夏は稼働しない企業もあれば、アルバイトが代わりに働くところも。そのサマージョブの一環としてセイナヨキ市ではアーティストを召喚してアート活動を毎年行ってもらっています。今も一部残っているUFO基地の看板を作ったのもその一環でした。
今年の夏に選ばれた7人目のアーティストはトルコ人のBaran Caginliさんで、6月19日から3ヵ月間滞在とのこと。彼は何をテーマにするかというと、パンを焼くこと。地元のコミュニティの人と一緒にパンを焼くのだそうです。 現在、このプロジェクトに参加し、ローカルまたは伝統的でユニークなパンのレシピを教えてくれる人々を探しているのだそうです。
Caginliさんはヘルシンキ在住で、権力や組織的抑圧、アイデンティティ、民族差別の問題や矛盾を強調することにより作品にある普遍的な問題点を扱っています。
現在彼の作品はヘルシンキのアートアカデミーの2023年春の絵画展で展示されていて、作品の中でレーニン、マルクス、ローザ・ルクセンブルクの形をしたパンを焼き、絵画展の来場者に配布しているのだそうです。
この作品を作るに至った背景には1980年代のトルコ革命後の、軍事政権に反対する組織を弾圧しようとしていた時代があるとCaginliさんは言っています。
Caginliさんの父親は左翼青年組織のメンバーだったため、憲兵隊が父親を捕らえ、拷問しました。それを受けてCaginliさんのおじいさんは息子を家に連れ帰りました。 家に帰る時に、当時禁止されていたマルクス・レーニン主義の本を持っていったそうです。 読み書きできなかったCaginliさんのおじいさんは本の内容を知らなかったのですが、村人から「本が見つかったら家族全員が逮捕される」という警告を受けました。
Caginliさんの祖父母は、暖炉で本を燃やすことで問題解決しようとしたところ、本が多すぎて、煙突から立ち上る煙が目立ち、近所の人から怪しく思われました。そこで本を燃やすことのカモフラージュのため、1週間朝から晩までパンを焼き続け、そしてそのパンを村の人々にあげたのだそうです。
このような背景もあり、Caginliさんは、パンを焼くことを作品に昇華したそうです。今回はレシピ提供者の顔をセラミック製の型にし、それでパンを焼くのです。 型で焼いたパンは、夏の終わりにKalevan Navettaという美術館も入っている建物で開催されるイベントで皆で一緒に食べるのだとか。パンのレシピを提供するのはいいのですが、自分の顔がパンの型にされ、しかも食べられてしまうのはどうなんでしょうかね。そういうのも自虐ネタとして楽しむような気もします。
こちらの写真はお借りしたもの。

出典:https://www.epari.fi/
どんなレシピが集まってくるのか、またどんな人が協力するのかちょっと興味があります。
ということで皆様、よい一日をお過ごし/お迎えください。
自分の顔の形のパンを食べられても平気な方も、昔自分の写真がプリントされたお皿を買わなかったので後で割られたに違いないという方も
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